青い鴉のブログ

光のプログラマーの青い鴉(ぶるくろ)が情報発信していくブログです。

【日記】2ch起業スレとOutlier(異常値)

知り合いがせどりを副業にしている。 
雑所得として処理すると確定申告が面倒なことになるが、 
彼は本を転売することに生きがいを見出しているようなので、止めてはいない。 

彼は倉庫代が出せないから自宅に納まる範囲でビジネスをしている。 
一度、彼に冗談で一つのアイデアを話したことがあるが、倉庫が要るからできない 
と言われた。冗談のようなアイデアだが、彼は真剣にそろばんを弾いたようだ。 
そういう人間が成功するのだと思う。 


別に惜しいアイデアでもないので公開すると、 
LEGOのブロックをばら売りする仕事というのがある。 
赤のブロックだけ10000個欲しい。という潜在的な顧客がいるので、 
基本的に元値の倍以上で売れ、レアリティの高いブロックは価格が高騰する。 

家じゅうがLEGOブロックに占領され、在庫管理で発狂するというリスクはあるが、 
基本的にボロイ商売である。 
だがこの話を聞いても「儲かりそうだ」と新規参入する人はいない。 
彼らは24時間そのことについて考えられるほど、LEGOを、そしてお金を愛していないからである。 


日本語訳がひどいことで有名な「Outlier(異常値)」という本には、興味深い洞察がある。 
成功者の語る「運が良かった」という言葉の背景には、複雑な前提があるというのだ。 

たとえばある人は、たまたま片親がアメリカ人で、たまたま日本語がちょっとだけ不得意で、 
たまたま友達の少ない幼少時代を送り、たまたま高校の成績で英語の科目が得意で、 
たまたま返済不要の奨学金を得て、たまたま自分に合った海外の大学に行けたことを 
「運が良かった」と言うかもしれない。 

大学でたまたま出合った同じような境遇のパートナーたちと意気投合し、たまたま始めた 
ビジネスがニッチに入り込み、たまたま儲かると信じて投資した金が倍々ゲームに 
増えていき、たまたま競売で売っていた安い物件に引越し、たまたま土地が高騰して 
株を買い、たまたま株価が上がって、その人はお金に不自由しなくなったのかもしれない。 


これらが全て「運が良かった」という言葉の中に凝縮されているということに注意しよう。 

では、「運」とは何なのか? 誰もが「平等に持つ」魔法の力? 答えはノーだ。 
むしろ、自分以外の「誰も持っていない」魔法の力。そう定義したほうが良いくらいだ。 

成功者の言葉を聞くときには、上記のような前提のあることを割り引いて考える必要がある。 
サイコロを振ってたまたま1が連続する程度の偶然の力では、決して異常値(成功者)にはなれない。